09/8/21 SIGGRAPH 2009
- PatchMatch: A Randomized Correspondence Algorithm for Structural Image Editing
テクスチャ合成などに必要な操作である「局所的に似ている微小領域を探す」操作を効率的に行う。
全部の画素を独立にチェックするのでなく、ランダムに点を取ってきて比較して、似たものが見つかったら
その周囲を探索する。
- Moving Gradients: A Path-Based Method for Plausible Image Interpolation
2つの画像の補間。入力画像のピクセル間の対応をまずとる(optical flow)
のでなく、補間画像の各ピクセルがどの入力画像ピクセルに対応するかを
計算する。さらに、ブレンド具合をピクセルごとに変えたり、隠蔽されているかどうかを
補間結果から推測したり、ピクセル値でなくその微分を補間してポアソン方程式を解くことで、
よりよい結果を得ている。
- Optimizing Content-Preserving Projections for Wide-Angle Images
魚眼レンズでとった画像の歪みをなくす。直線が直線になるように最適化をかける。
どこが直線にあるべきかはユーザが指定する。
エッジや顔などは特に歪みが少なくなるようにする。
- Content-Preserving Warps for 3D Video Stabilization
手で持ったカメラで撮影した動画のぐらぐらをなくして、
いかにもレールの上のカメラからとったようにする。
特徴点抽出で3次元的な世界を構成したあとで、
カメラの3次元的な動きをスムーズにする。その後で
新しいカメラからの視点を画像変形で合成する。
合成にはブレンドでなく一枚の画像の局所的変形で行う。
従来手法は完全に2次元的に処理するので不自然だった。
- Photogrammetric Texture Mapping using Casual Images
テクスチャマッピングのために3次元モデルと2次元画像の対応をとる。
3次元形状変形するのでなく、3次元モデルのピクセルごとに独立にカメラパラメータを推定する。
ユーザは少数の対応点を指定すればよい、
-
Preserving Topology and Elasticity for Embedded Deformable Models
物理シミュレーション(FEM)を荒いグリッドで高速に行う。あらかじめ細かいグリッドと荒いグリッドの
関係をシミュレーションして前計算しておくことで、部分的に堅いとか部分的に空間があるとか
枝分かれしている場合などを適切に扱うことができる。
-
Deformable Object Animation Using Reduced Optimal Control
キーフレームを補間するときに、ダイナミクスを考慮して自然な動きを合成する。
たとえば、足だけ動かしたキーフレームからしっぽの動きも合成する。
基底として入力キーフレームとそれを直接補間したものをつかって、
その基底の中で時空間最適化を行う。
-
Visio-lization: Generating Novel Facial Images
人間の顔画像をテキスチャ合成の要領で作成する。
parametric にベースの顔をつくって、patch-based で細部を合成する。
-
Self-Organizing Tree Models for Image Synthesis
木の成長のシミュレーションをインタラクティブにガイドする。
成長してほしい領域をブラシのようにして動かしていくと、その部分だけ成長する。
- Performance-Based Control Interface for Character Animation
体をその場で動かすだけで、仮想空間内で歩いたり泳いだり鉄棒したりできる。
入力される体の動きのうち、必要な部分だけをとってきてマッピングする。
システム内にはあらかじめ基本的な動きを登録しておいて、それとダイナミクス
シミュレーションを組み合わせて動きを作る。
-
Achieving Eye Contact in a One-to-Many 3D Video Teleconferencing System
回転する鏡にプロジェクタで同期した画像を投影することで立体映像を作る。
鏡を凹面鏡にすることで角度の精度を上げたり、画像認識で顔の位置を計測して
適切な画像をつくるといった工夫をしている。
-
The UnMousePad - An Interpolating Multi-Touch Force-Sensing Input Pad
マルチタッチで圧力を検出できるシート。
縦横の配線をしたシートで圧力に応じて抵抗の変化する層を挟んで、すべての
交差点でスキャンして計算する。工夫として、実際に計測するワイヤ以外に
ダミーのワイヤーを置くことで応答を線型にしている。
-
Generating Photo Manipulation Tutorials by Demonstration
フォトショップなどの操作履歴から自動的にチュートリアルを生成する。
またそれを一般化してマクロとして利用することもできる。
コンピュータビジョンを使うことで人間の顔のパーツや空などを
自動認識する。
-
Coordinates for Instant Image Cloning
グラディエントドメインでの画像編集をするときに、明示的に
ポアソン方程式を解くのでなく、mean value coordinates を使うことで
高速に近似的に計算する。
-
Dark Flash Photography
不可視光をつかったフラッシュで撮影した写真と、
普通の写真を組み合わせて、暗いところでもはっきりした写真を撮る手法。
普通のフラッシュと違ってまぶしくない。
- A Visibility Algorithm for Converting 3D Meshes Into Editable 2D Vector Graphics
3次元モデルを2次元ベクトルグラフィクスとしてレンダリングする。
自己遮蔽しているオブジェクトをうまく前と後ろに分割するところがポイント。
- Local Layering
フォトショップなどのレイヤー構造は全体的に上下関係を決めなくてはいけない。
提案手法では、部分的な上下関係を指定することができる。
- Automatic and Topology-Preserving Gradient Mesh Generation for Image Vectorization
写真を入力として与えると、自動的にグラデーションメッシュに変換する。
-
Bokode: Imperceptible Visual Tags for Camera-based Interaction from a Distance
目に見えないくらいの小さなバーコード。
コードの前にレンズをおくことで、
ピントを無限遠にしたカメラではっきり見ることができる。
以下は Sketch-based interfaces and Modeling 2009 より。
-
Automatic Colorization of Grayscale images using multiple images on the Web
白黒画像に自動で色をつける。画像データベースから似た画像を検索してきて、
その画像を基にして色をつける。局所的に似た場所を参照して色を持ってくる。
-
PhotoSketch: A Sketch Based Image Query and Compositing System
手書きスケッチを元に似た画像をデータベースから探してくる。
その上で、画像を切り貼りして、オリジナルの画像を作る。
09/7/4 骨展
ミッドタウンの骨展のトークショーにいってきました。
緒方さんと私、そしてウェブデザイナーの中村勇吾さんの
3人で司会はNHKの中谷さんでした。以下、記憶が曖昧ですが、印象に残った言葉。
中村さんの話「(デザインとアートの違いについて聞かれて)
デザインとはすでにあるニーズに対してソリューションを
提供するものであるのに対し、アートとは、こんなことを考えないといけないんじゃないの、
こんなことも必要なんじゃないのといった、ニーズを提案するものである。」
緒方さんの話「インタフェースをデザインするときには、使う人にプレゼントを
つくるような気持ちでデザインする。素敵なプレゼントをもらったときのような驚きと
喜びを提供したい」
09/6/23 CHI2009
いまさらですが、いくつか
- SmartPlayer: User-Centric Video Fast-Forwarding ビデオの早送り
- ESPranto SDK: an Adaptive Programming Environment for Tangible Applications
タンジブルアプリケーションの開発用ツールキット。子供用なのが特徴?
- Finding Causes of Program Output with the Java Whyline 現象を指定すると、その理由を教えてくれる、
デバッガー。Java版を開発して実験した。
- DesignableVisualMarkers QRコードやARツールキットのようなマーカーをユーザが自由に描けるようにする。
- GestureBar: Improving the Approachability of Gesture-based Interfaces
ジェスチャーインタフェースの使い方を教えてくれるツールバー
我々のところからは以下の2つ
- Magic cards: a paper tag interface for implicit robot control
部屋にロボットへの指示(掃除やモノの移動など)を書いたカードをおくと、いない間に作業をしてくれる。
- Sketch and run: a stroke-based interface for home robots タブレット上で、線を引くと、それにしたがってロボットが動く。
そのほかにも大量にエスノの論文やら、ポインティングやら、テーブルトップ(マルチタッチ)やらがありますが、まあもういいでしょう。
09/6/11 R25
「25〜30歳って、自分のことを考える最後の期間だと思います。
30歳を過ぎると、雑事が増えて人間関係もどんどん複雑になって、自分のことばっかり考えてられません。」
by 久米 宏
そうですよねー。研究職だって、リソースの制約などもあって、だんだん自分の考えだけでは好き勝手なことができなくなってきます。
20代に何を考えてきたかでその後の研究人生で何ができるか大体きまってきちゃうんじゃないでしょうか
そういう意味で、学生さんは、スキルを身につけるだけでなく、
じっくりと何をやりたいのか、何を目標にしていきたいのか、
若いうちにしっかり考えておくことが大事だと思います。
後の人生は、そこで設定した目標を30年かけて追いかけていくことになるのだと思います。
09/5/29 骨展
東京ミッドタウンで開催している骨展
に招待作家ということで参加させていただいています。
壁に投影された自分の影が勝手に動き出すというインスタレーション
(another shadow)です。
私は最初の技術提供だけで、展示は基本的に緒方さんがつくったものですが、
よかったら見に行ってみてください。
プレスリリース、内覧会で、展示物を見させていただきましたが、個人的な一押しは、
六本足で超高速で走り回る昆虫ロボットの phasma です。
会場では、机に縛り付けられているのが少し残念。
09/5/18 ICRA
ロボット関係の国際会議ICRAが神戸で開催されていたので行って来ました。
自分のこれまでの研究分野とはまったく異なる学会だったので、新鮮な感じでした。
でもまあ、似たようなノリの論文も結構あることがわかったので、少し安心もしました。
投稿数は1626で採択率は43%だそうです。13パラレルセッションでとにかく大量の論文が
発表されている印象でした。部外者からみると、もう少し厳しく選んだ方がいいのではと
思いましたが、規模を維持するためにたくさん採らざるを得ないとの話も聞きました。
内容は、制御・ビジョン・機構・特定分野(医療・航空・宇宙・ナノ)などに加えて
HumanRobotInteractionというのもありました。
Physical HRI というのもありましたが、こちらはハプティックデバイスのハードウェアの
話が中心でした。
以下、いくつか論文紹介
- Where to Go: Interpreting Natural Directions Using Global Inference
自然言語での場所の指示(キッチンを通り過ぎて次のドアを右、とか)を理解するための
推論方法(Random Markov Field)。Frickrを使って、モノと場所の関係を学習する。MIT.
- Insect Powered Micro Air Vehicles
空を飛ぶロボットの動力としてでかい蛾を使う。風船に蛾をつけて方向を制御する。
実際に目的の位置に移動できてました。なんでもありですねー。コーネル大。
- AffectiveEye: Augmented Gaze Representation for "what is the robot looking at".
ロボットがどこを見ているのかを示すために、ロボットの目の色を、見ているものの色と同じにする。早大。
- A Harmonic Potential Field Approach for Navigating a Rigid, Nonholomic Robot ina Cluttered Environment
ロボットの移動経路を計画する方法として、ポテンシャルフィールドを利用する方法を提案する。サウジアラビア。
- Information Retrieval System for Human-Robot Communication Asking for directions.
屋外を移動するロボットが、目的地への経路を、人に聞きながら学習していく。
インタラクションはタッチパネルで行う。ミュンヘン大。
- Real-Time Monocular Visual Odometry for On-Road Vehiclers with 1-Point RANSAC
車にオムニカメラを搭載して50km/hで走りながら環境地図作成と自己位置推定を行う。
車の微小移動は一定半径での回転で近似できることを利用して高速化を実現。
かしこい。発表もうまかった。ETH.
- Robust 3D SLAM with a Stereo Camera Based on an Edge-Point ICP Algorithm
ステレオカメラでの屋内で移動しながらの環境地図作成と自己位置推定。
LKFやSHIFTなどの特徴点が取り出しにくいので
画像処理でエッジとなる画素を特徴点として利用する。千葉大。
- Synthesizing a Desired Trajectory and Sensory Feedback Control Laws for and
Origami-Foliding Roobt based on the Statistical Characteristics of Direct teaching by a Human
折り紙の折り方を人間の実演から学ぶ。タイトルながすぎ。京大。
- Planning the Reconfiguration of Groudned Truss Structures with Truss Climbing Robots
that Carry Truess Elements
ロボットが自分よりも大きい構造物を構造物に登りながら作っていく。スケッチで有名なHod Lipsonの論文。
- Climbing Rough Vertical Surfaces with Hierarchical Directional Adhesion
壁を垂直に登っていくロボット。やもりのように、手足の裏に細かい突起のあるゴムをつけてある。Stanford.
全体として、やはりsiggraphのように、問題をうまく数学的にモデル化して
うまい解き方を提案しているのがいい論文とされている印象を受けました。
あと、siggraphとかと違って、検索してもすぐにpdfとかvideoが出てこないのは不便です…。
みんなどうやって情報収集してるんでしょうかねえ。
09/3/5 舘ワ先生最終講義
最初は、バーチャルリアリティについての一般的な講義。
バーチャルとは、本質とか実質とか言う意味であり、意味的には
リアルに近い。仮想現実という日本語はふさわしくない。
VRとは空間・相互作用・自己投影、という3つのコンセプト
の融合であり、当時のさまざまな分野が集まってできている。
その後は、これまでの研究。
ユーザの周囲を覆う円筒形の立体ディスプレイ Twister,
遠隔地のロボットをあたかも自分がそこにいるかのように操作する
Teleexistence,
離れたところでもちゃんと存在感のある遠隔テレビ電話 TelesaPhone,
などなど。
後半は、Teleexistence 誕生の経緯。
最初は盲導犬ロボットをやっていた。
その後、MITの Robert Man のところで研究しているときに思いついた。
その話が広がって、極限作業ロボットの大型プロジェクトの一部になった。
ロボットには他者としてのロボットと分身としてのロボットがある。
最後の質問に答えて。大事なのは常識にとらわれず、原理原則にたちかえって
よく考えること。それと、よく勉強すること。すべては無理なので、
両極端、すなわち基礎と最先端をよくまなぶこと。
09/3/4 杉原厚吉先生最終講義
前半は研究の話。
学生のころは概念構造の研究をやっていたが、世の中をしらずにテーマを探すのはつらいので、
問題のころがっている電気総合研究所へ就職した。
とうじはパターン認識の大型プロジェクトがうごいていて問題がいっぱいころがっていた。
最初は、線画の認識の研究をしたが、パラメータチューニングが大変なのを実感して、
誤差に影響されない研究をしようとおもって、組み合わせ構造をきちんと考えた、
誤差に強い手法を開発した。成果は Machine Interpretation of Line Drawings という
本にまとめた。しかし、実際に利用しようとすると、
カメラ画像はノイズばかりで利用できず、デザイナは3面図で書くのので必要ないといわた。
実世界で役に立つ研究をしたい、ボロノイズの研究をはじめた。
ここでも、位相構造を考慮して、誤差があっても正常に動作するアルゴリズムを開発した。
これを拡張して絶対破綻しない計算という意味の超ロバスト計算原理として、いろいろな分野に
広げていった。ただ、世界的にはあまりはやっていない。
後半はその他の話。専門外の本として、理系のための英作文という本などを書いた。
イラストを本に載せたり、かけこみ寺の住職としていろいろな人の相談にのったりしている。
最近は、だまし絵について、ワークショップをしたり本を書いたりしている。
最後のまとめは、「数理工学とはテーマを探すこと」ということでした。
09/3/3 原島博先生最終講義
前半は自身の研究の話。最初は情報理論の研究をしていた。当時の成果はIEEEの通信の規格に使われている。
30代には、情報理論の応用として、脳の中の処理のモデル化なども行った。
40代には、画像を直接送るのでなくモデル化してパラメータだけを送る
モデルベース符号化の研究を、顔を主な題材として行った。
50代には、顔学会、VR学会、東大情報学環の設立など組織運営にかかわった。
60代には、科学技術を文化にすることを目指して、教育プログラムや研究プロジェクトを推進してきた。
後半は歴史の話。コンピュータの歴史、技術の歴史。
これまでは、科学中心だったが、これからは、芸術と科学の融合が重要である、とのこと。
自分の研究ができるのは40代までだそうです。あと15年?
08/12/17 取材
新聞の取材の中で、「仕事をしていく上で一番大切なことはなんですか」、みたいなことを聞かれた。
すぐに思いつかなかったのでうーん、と考えていたら、
「ノーベル賞を受賞された○○さんは、大切なのは好奇心だと言っていました」という話をされて、それは自分とは違うと思った。
好奇心が大事というのは真理を探究することを目的とするサイエンスの人のコメントであり、私の興味とは異なる。
私にとっては、「できなかったことをできるようにしたい」
「誰もみたことのないモノを新しく作り出してみんなを驚かせたい」
というのがモチベーションである気がする。
そういう意味では、サイエンティストというよりもエンジニアであり、
さらに言えばアーティスト・クリエータとしての側面が強いのかもしれない。
08/11/21 日英HCIワークショップ
日英HCIワークショップというのに参加してきました。
英国大使館主催の日本と英国のHCI研究者の交流会みたいなものでした。
普段聞けない研究の話も聞けてよかったです。
- Surface Computing (Steve Hodges)
マルチタッチの研究の話。
液晶の裏にLEDとセンサーのアレイをつけてマルチタッチにする話や
リアプロジェクタをつかったテーブル型ディスプレイでマジックレンズを実物体でやる話
(SecondLight)、首からぶら下げたカメラで映像を撮り続けて記憶の補助にする話(SenseCam)など。
- The state of research in the UK (Yvonne Rogers)
欧州でのHCi研究の現状について。HCI研究のフォーカスはもはや「機器の使いやすさ」ではなく、
人間の生活をどう豊かにするか、というように、もっと広がってきている。
森で環境の湿度をはかる携帯計算機や血液のグルコース濃度をはかる携帯機器など、
主にユビキタスコンピューティング関連の研究を紹介していました。
HCI研究の主題だけでなく方法論が変わってきているというのは、たしかに
なんとなくは感じてましたがはっきりいわれるとなるほどなと思いました。
- Toward natural "let it be" interface (Hideyuki Nakashima)
西洋の思想はすべてを把握した神の視点。東洋の思想は逆に自分の周りのみしか見えない虫の視点。
虫の視点からのシステムデザインが重要。
理想のインタフェースはワンボタンインタフェース。押せば状況に応じて必要なことをしてくれる。
耳につけて近くのデバイスから発せられている情報のみを聞くデバイス(CoBit)。
押すと映像がみえる虫眼鏡デバイス。
- Interface that leverage sensors and spontaneous networking (Hans Gellersen)
複数の携帯機器の連携について。
ノートPCにUSBドングルをさすと、超音波でお互いの相対位置を検知して、
無線接続するときにどのマシンがどの方向にあるのかを画面で教えてくれる。
二つの携帯機器で情報交換するときに、物理的にその2つの機器が一緒である
ことを示すために、一緒に「振って」その動きが一致していることで認証を行う。
シートの上に物理的なボタンやスライダーなどをぺたぺたとつけていくとそれが
そのままwidgetとして動作する。
- Future mobile user experiences (Matt Jones)
画面を見ないですむ携帯機器。
ひとつは手の中に納まるマッチ箱サイズのデバイスで、近くに情報源があると振動して教えてくれる。
ひとつは音楽で道案内してくれるもので、音楽がよく聞こえる方向へ歩いていくと目的地に着く。
あとは、インドでのコミュニティ支援システムの話。字が読み書きできない人が
いかに計算機でコミュニケーションするか、という話が面白かった。
- At a Crossroads: HCI and Chaning Linves (Yvonne Rogers)
遠隔会議で画面だけだと阻害されるので、ディプレイに顔を映した移動ロボット
として会議に参加する(HP mobile telepresence)。
旅行会社で相談するのに、カウンター越しに店員がひたすら端末を操作するのでは
客にフラストレーションがたまる。なので、横に並んで一緒に操作するような3画面式の
端末を提供した。部屋のレイアウトを複数で行うのに、タンジブルなphyconを使った。
- helping people to collaborate to learn though their surroungings (Naomi Miyake)
人間は自分が知っていることについては他の人も知っていると思い込む
(ミシシッピー川の長さを知っているひとは何パーセントいると思いますか?
といった質問の答えが、あらかじめ長さを教えた場合と教えない場合で有意にことなる)。
学習は複数で作業しながらやると効率がよい。それは、一人が作業している間に、もう一人は
その作業をより抽象化した視点から見ることができるからである。
例:折り紙の3/4の3/2を塗りつぶせ、というと、2人ときの方が先に半分でよいことに気づく。
認知科学の講義で、協調しながらやった方が協調しないよりも、学習効果が高かった。
余談ですが、アメリカとイギリスの文化で何か違いがあるかという話をしていたときに、
歩行者の信号無視の話が話題になりました。
信号無視(jaywalk)ですが、イギリスでは自己責任ということで法律違反ではないが、
アメリカでは明確に法律違反になるそうです。
で、とあるイギリスの教授がアメリカで警官の注意を無視して信号無視をしてしまったところ、
その場に張り倒させれ逮捕されて犯罪者として処罰されたことがあったそうです。
海外にいったときは何で逮捕されるかわからないのでおっかないです。
08/10/28 UIST 2008
カリフォルニア、サンフランシスコ郊外のモントレーで開催でした。
- Video Object Annotation, Navigation, and Composition
ビデオに対して特徴点トラッキングをして、ひとまとまりで動くセグメント=オブジェクトに分割する。
そのあとで、ユーザはビデオ中のオブジェクトにアノテーションや
ハイパーリンクをつけたり、
オブジェクトをつかんでドラッグしたりすることができる。
- Annotating Gigapixel Images
巨大な画像の中に、局所的にテキストラベルやサウンドといったオブジェクトを埋め込む。
場所とズームレベルから現在の視点とオブジェクトの距離を計算して
近いものを提示する。
- Kinematic Templates: End-User Tools for Content-Relative Cursor Manipulations
マウスの物理的な動きからカーソルの動きへのマッピングを加工することで
いろいろな効果を生じさせる。画面上に置くフィルタとして実装されていて
重ね合わせなどができる。
- Bringing Physics to the Surface
ベストペーパー。マルチタッチディスプレイで物体を操作するときに
物理シミュレーションを利用する。
入力画像中からパーティクルを生成してそれをオプティカルフローで動かして、
それで物体を押したり(衝突)引きずったり(摩擦)できる。
両手を使って、ボールを転がしたり、板を積み上げたり、布をたたんだり、
紙を破ったりできる。
- Design As Exploration: Creating Interface Alternatives through Parallel Authoring and Runtime Tuning
インタフェースをプログラミングするときに、複数のデザインを同時に
実装して試せるようにした。
ソースコードエディタにタブがあって複数のバージョンのコードを
同時に編集できる。ソースコード中のパラメータを編集できるスライダが
自動的に生成される。携帯電話用や組み込みデバイス用もつくってみた。
- "Is the Sky Pure Today?" AwkChecker: An Assistive Tool for Detecting and Correcting Collocation Errors
文法チェッカーでは判定できない、
非ネイティブの間違いやすい用法間違いを直すためのインタフェース。
怪しいフレーズがハイライトされ、クリックすると
フレーズをいれるとコーパスを検索して用例を示してくれる。
- ILoveSketch: As-Natural-As-Possible Sketching System for Creating 3D Curve Models
3次元的な線画(スケッチ)を描くためのツール。
重ねがきで曲線を描く機能、ジェスチャーで編集する機能(axis widget)、
2Dから3Dの推論のしやすさ(sketchability)を評価する機能などがある。
- Edge-Respecting Brushes
フォトショップのような画像編集で、画像中のエッジをはみ出さないような
領域選択・効果付与を実現するブラシを提案している。
カーソルの位置から似たピクセルをたどっていって塗りつぶす。
ペンには半径があってそこからはみ出ないように押しかえす。
塗りつぶしたり、コントラスト変えたり、スムージングかけたり、に使える。
- Scratch Input: Creating Large, Inexpensive, Unpowered and Mobile Finger Input Surfaces
壁に小型マイクをつけて指でこする音を聴いてジェスチャーを入力する。
直線、円、三角、四角で音のパターンが違うので判別できる。
- Lightweight Material Detection for Placement-Aware Mobile Computing
携帯電話が自分が現在いる場所
(ポケット、机、かばん、など)を自動的に判断する。
LEDとセンサーの組みあわせで材質を判定する。
- Foldable Interactive Displays
扇子や新聞や巻物などに画像がぴったりあうようにプロジェクタで投影する。
スクリーンになる対象にLEDをつけてWiiリモコンでトラッキングする。
ビデオ必見。
個々の発表はともかく、個人的には主要なCG・UI関係者がロボットに手を出し始めているのを知ることができたのがもっとも大きな収穫でした。一人は 昨年のSIGGRAPHのチェアで MERAL から Disney に移った Joe Marks で、テーマパークで使うことを考えているらしい。もう一人は、今年のUISTのチェアの Steve Cousins で IBMの研究所を辞めて Willow Garage のCEOとして家庭用ロボットの研究をはじめたらしい。Willow Garage は シリコンバレーの大金持ちが私財を投じて作った研究開発会社で、とにかく儲けを気にせずひたすら研究していればよいらしい。60人の研究者を無期限で雇うというから相当な金額ですよね。
08/9/28 中国雑感
-
バイクが全部電動バイクになってる!
とっても静かで排気ガスもないし、いい感じです。
日本はまだガソリンですよね。
日本も、近いうちに一気にガソリンがなくなって
電動になるのでしょうか。
-
滞在中に、中国初の有人宇宙船の打ち上げがあって
大々的に報道されていた(宇宙遊泳もするらしい)。
でも日本ではほとんど報道されていなかったような。
日本のマスメディアの情報だけだと
世界で何が起きているか把握するのは難しいということを実感させられます。
-
旅行ガイドには「電源プラグの形はいろいろである」、
としか書いてなくて心配していたのですが、
逆にどんなプラグでもさせるコンセントになっていて
心配無用でした(写真)。
-
ホテルにはどこでも部屋にインターネットがきているので安心。
ただ、LANケーブルが短いので長いのを持参した方がよい。
-
物価はそれほど安くない気がする。
旅行者として、それなりのサービスを受けたりそれなりの
品質のものを買おうとすると、日本と変わらないくらいかかる気がする。
-
中国を旅行する場合には、中国人でもガイドをつけるのが一般的。
ガイドには全国的な免許制度があり、免許があるとガイド中の観光名所の入場料がただになる。
レンタカーなどはなく、総じて自分で計画して旅行をするのは難しいらしい。
08/9/27 Chinagraph
Chinagraphで招待講演をしてきました。
グラフィクス関係の中国の国内会議で日本でいう
ビジュアルコンピューティングのようなものだと思います。
査読をわりときちんとやっているようで、
200本の投稿から23本だけ発表できるみたいです。
で、選ばれた論文は、日本でいう情報処理学会の論文誌で
出版されるようです。
期間は3日間で毎日2つずつ招待講演がありました。
招待講演以外は中国語なのでまったくわからず。
- Realtime Computer Graphics by Kun Zhou.
GPU を使ったモデリング・アニメーション・レンダリング・プログラミングの話。
モデリングについては点群からの面生成にOctTreeを使う話、
アニメーションについてはラプラシアンを利用した非線形計算の
ベクトル演算にGPUを使う話
レンダリングについてはレイトレーシングの高速化にKDTreeを使う話、
プログラミングについてはGPU用のストリームプログラミングフレームワーク
(BSGP)の話をしていました。KunZhouは最近MSRAをやめて折江大学に移ったそうです。
- Visualizing Social Networks by Kwan-Liu Ma
インフォメーションビジュアリゼーションの話。
テロリストネットワークや携帯電話利用データの可視化の話と、
大きなグラフを高速にレイアウトするのに再帰的空間充填曲線(ヒルベルト曲線など)
を使う話をしてました。あと、
最近アメリカで始まった国家プロジェクト(?)であるVisual Analytic
を紹介してました。後者は主に防衛目的の話らしいです。
- Volume Data Expliration Based on Differential Topology by Issei Fujishiro
サイエンティフィックビジュアリゼーションの話。
藤代先生がここ10年くらいやっているプロジェクトの概要。
ボリュームレンダリングを見やすくするために、
ボリュームデータのトポロジー構造を利用する。
まずトポロジー構造を分析して(isosurface遷移の特異点を見つける)
それを木構造で表現する。
その上でその木構造を利用してボリュームレンダリングのときの
transfer function を調整する
(重要なisosurfaceを見やすくするように色・透明度を調整する)。
その他、見やすい視点を探したり、見やすくなるライト方向を見つけたり、
時系列方向での重要なポイントの発見に利用したりする。
08/8/23 収録
NHK高校講座情報Aの収録にいってきました。
アニメーションを作ろうというテーマの中で、
movingsketchを使ってみるという趣旨でした。
10月9日(木)15:00-15:30だそうです。
いつものことですが、プロの出演者のしゃべりには感心
させられます。カメラが回り始めた途端に
あがるテンションの高さにびっくりです。
ちなみに8月29(金)22:55-23:00の匠の肖像という
番組にも出演してます。
08/8/21 陰山先生の講演
百ます計算などで有名な陰山英男先生の講演を聞いてきました。
趣旨は「百ます計算や漢字・英単語の学習などの繰り返しの必要な
基礎的な学習には、計算機が非常に適しているのでうまく活用していくべき」
ということでした。DSの百ます計算ソフトなどをはじめとして、
メーカーといろいろな取り組みをしているそうです。
大筋ではとくに目新しい話はなかったですが、
日本の教育の将来を真剣に心配し、良くしていこうという姿勢が強く
印象に残りました。また、諸外国における日本の教育の位置づけや
提案する教育手法の効果などについて、
さまざまなデータを出して裏づけしているところに説得力を感じました。
私としては、基礎的な学習だけでなく、思考力や創造力といった発展的な
学力をつけるためにコンピュータをどう利用できるかに興味があるのですが、
陰山先生の答えは「今のコンピュータはまだそこまでいっていない」との
ことでした。確かにおっしゃるとおりですが、将来の可能性まで否定された
わけではないようなのでよかったです。将来、現場でつかってもらえるような
技術を開発できるようにがんばっていきたいと思います。
08/8/16 SIGGRAPH 2008
去年よりも参加者が減った印象でした。
論文は、すごく目新しい成果というわけではないですが
(すでに解かれている問題を別の解き方で解いたといったものがおおい)、
個々の解き方にそれぞれ「なるほど」と思わせる工夫があって、参考になります。
プレゼンがよくできているので、それぞれのトピックのことがよくわかるというのもありがたいです。
論文以外のセッションの発表では、プロダクションにおける映像製作ノウハウの共有という側面
が大きくなってきている気がしました(だいぶん前からそうかもしれませんが)。
-
Factoring Repeated Content Within and Among Images
画像の中の繰り返しを見つけて効率よく圧縮する。画像を小さい代表要素+マッピングに分解する。
-
Finding Paths through the World's Photos
撮影視点のわかっている大量の写真の集合の中を移動する。
-
Improved Seam Carving for Video Retargeting
Seam carving をビデオに拡張。ダイナミックプログラミングをグラフカットに変更し、ピクセル除去後に余計なエッジがでないような処理を加えた。
-
Unwrap Mosaics: A new representation for video editing
ビデオ中の物体の上に落書きすると3次元的に追従する。特徴点をトラッキングして自動的にテクスチャマップを生成する。
-
Robust Treatment of Simultaneous Collisions
布と剛体との複雑な衝突を扱うための手法。LCPのように法線方向の連立方程式を解くのでなく動きを接線方向に制限して計算する。
-
Backward Steps in Rigid Body Simulations
ユーザの与えた最終状態になるように、物理シミュレーションで時間を逆方向へ動かす。
また、複数の可能性がある場合には、実際にシミュレーションを多数実行した結果から適宜サンプリングして利用する。
-
AppProp: All-Pairs Appearance-Space Edit Propagation
画像編集するときに、だいたいの領域選択をすると、画像中の似た領域が自動的に選ばれる。
-
Discrete Elastic Rods
細いワイヤーのねじれを表現する。明示的に頂点座標を表現し、ねじれは、ねじれなしフレームからのねじれ角で表現する。
-
Simulating Knitted Cloth at the Yarn Level
編み物を糸一つ一つのレベルでシミュレーションする。
高速化と安定化のため、通常のシミュレーションステップの外で、
ゆがみの補正をshape matchingの方法で強制的に行う。
-
4-points Congruent Sets for Robust Surface Registration
2つのスキャンデータの位置あわせ。3点でのマッチングでなく、4点とその対角線の交点をうまく使う。
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Structure-aware Halftoning
濃淡だけでなくテクスチャの類似性も評価する評価関数を用意して、ランダム探索で最適化する。
-
Lapped Solid Textures: Filling a Model with Anisotropic Textures
キウイやにんじんのような中身のつまった3次元モデルを表現する。テンソル場にそってエレメントを配置する。
-
Green Coordinates
FFDのように荒いケージを変形して中の画像や形状を変形するときに、
頂点の座標だけでなく辺の法線方向も考慮した表現にすることで、
局所的な角度の保存を実現する。
-
Shading-Based Surface Editing
3次元モデルのレンダリング結果の上に陰影を描き加えると、それに応じて3次元形状が変化する
-
Automatic Generation of Tourist Maps
3次元地図情報を与えると、自動的に手書きで作ったような重要なところだけを強調したわかりやすい地図が生成される。
-
Automated generation of interactive 3D exploded view diagrams
エンジンのような複雑な3次元モデルの構造をわかりやすく説明するため、うまく分解したような図を生成する。
-
Interactive Visual Editing of Grammars for Procedural Architecture
生成規則によって建物を生成するシステムで、視覚的に局所的な編集ができるようにする。
局所的変更の内容を一般化して保持しておき、ルールが変わったらあたらめて適用する。
08/7/10 アルゴリズムとデータ構造
昨年に出版したアルゴリズムとデータ構造の教科書のための
ソースコードおよびデモプログラム集をつくったので公開してみました
(こちら)。
よくあるソースコードは、アルゴリズムの本質的な部分と、
データ入出力やUIなどがごっちゃになっていたりするので、
それをなるべくきれいにわけて、擬似コードに近い感じの
ソースコードだけみて勉強できるようにしてみました。
あと、データ構造がただしく構築されているかがなかなかわからないので、
データ構造の中身の様子を簡単に表示できるようなメソッドを
あらかじめ用意しておきました。
せっかく作ったのでたとえ少人数でもよいのでこれを使って勉強して
「役に立った」と思ってくれる人がいるとよいのですが…。
08/6/5 高校生講座
東大の高校生のための金曜特別講座で話をしてきました。
インターネットで日本各地の高校を結んだ遠隔講義でしたが、
遠隔側でどのくらいちゃんと見えていたのか少し心配です。
アンケート結果も見せてもらったのですが、
「情報分野に興味をもった」というありがたいコメントの他に、
「出来上がったもののデモだけでなく、作る過程・苦労も
説明してもらえると、より勉強になるし、進路を選ぶ上でも
参考になる」という意見がいくつかあり、なるほどなと
思いました。
質問でも、「このようなプログラムはどうかくのですか?」
といったものがあり、きちんとわかりやすく説明する準備を
しておいたほうがよいなと実感しました。
おそらくBASICのようなバッチ形式のプログラムのことは
知っていると思うのですが、
インタラクティブなものは経験がないので結びつかないのだろうと
推測されます。
マウスの動きを受け取って画面に線を引く、といったあたりを
うまく説明できるようなプレゼン資料をつくってみようと思いました。
08/5/21 SIGGRAPH Brochure
SIGGRAPHの広告に登場してます。
「空を背景にしてなるべく明るい場所で写真とってね」
といわれていたのですが、都内で空を背景にして取るのは難しく、
天気も悪かったので暗めの写真になってしまいました。
ちょっと残念。でも掲載されている一言は結構気に入ってます。
08/5/19 NASA
ワシントンDCのNASAで講演してきました。
人工衛星を作ったり遠隔操作したりするところらしく、
これから打ち上げる衛星や、それをテストする機械などを
見せてもらいました。
あと、NASAの成果を知らせるための画像を作っている
Visualziation Studio
でいろいろと映像を見せてもらいました。
アイスランドの氷河が後退していく様子や台風の中での空気の動き、
太陽の表面の磁場の様子のアニメーションなどなど。
Visualziation は科学研究のため
(地球環境学者や天文学者の新たな発見のため)
にやっているのかと思っていたのですが、
NASAの場合、主な業務は一般向けの広報活動用の映像作成だそうです。
08/4/21 Eurographics2008
ギリシャのクレタ島でした。乗り継ぎ2回のフライトで疲れました…。
招待講演は一件が私で、もう一件はスタンフォードのLeonidas J. Guibasさんで、
計算幾何学や生物情報・CGなどにおいて、
離散的な構造を持つデータをどう扱うかという話でした。
- Apparent Greyscale: A Simple and Fast Conversion to Perceptually Accurate Images and Video
カラー画像をグレースケール画像に変換する。
グローバルなマッピングとローカルなコントラストをはっきりさせる
微調整を組み合わせる。
- Sketching and Composing Widgets for 3D Manipulation
ジェスチャーで3次元操作を行うためのウィジェットを出現させる。
- Sketch-Based Procedural Surface Modeling and Compositing Using Surface Trees
おおざっぱな3次元形状の表面上に、詳細な3次元形状のレイヤーを付け加えることによって階層的なモデリングを行う。
- Floating Textures
複数カメラでの撮影による3次元ビデオにおいて、キャリブレーションエラーによる
ボケやゴーストを防ぐために、ランタイムに特徴点のマッチングをとる画像処理を
行う。
- An Example-based Procedural System for Element Arrangement
画面上に画像の要素(葉っぱや石粒、レンガなど)
をいくつか並べるとそれをレイアウトのサンプルとして、
大量の要素が生成される。
- Conformal Flattening by Curvature Prescription and Metric Scaling
ベストペーパー。3次元モデルの表面を2次元にパラメタライズするときに、
まずcone singularityと呼ばれる特徴点を計算し、それらを通るように
メッシュを分割する。
- Efficient and Dynamic Simplification of Line Drawings
ベクター表現の画像(点列で表現されたペンストロークからなる画像)を
縮小していったときに、混んでいる部分のストロークを適宜間引いていく。
メッシュのレベルオブディティールと基本的に同じような方法。
08/3/31 パテントトロル
パテントトロルの話をきいてきました。
自分達では製品をつくらず、特許をもとに大企業にライセンス料を要求する
ことで稼ぐ会社です。
なんでも、それをするためだけの会社がいっぱいあって、そこでは
大量の投機的資金が投入されて、つぶれたベンチャー会社などの特許が
買い集められているそうです。
新聞などで話には聞いていましたが、われわれの業界(CGなど)でも
まさに差し迫った問題になっているようです
(パテントトロルではないですが、最近のSIGGRAPHで発表された某技術の特許
が数億円で取引されたという話も聞きました)。
で、それらに対抗する手段として、企業の研究所の重要性が増しているとの
ことです。すなわち、特許で将来訴えられないようにするには、相手より
先に重要な特許をすべて抑えてしまえということです。
昔は大企業の特許といえば、他の大企業との駆け引き(クロスライセンス)
が主要な存在意義だったそうですが、
今はそれがパテントトロルになってきているということのようです。
我々研究者にとっては研究開発の重要性が増すというのは
嬉しいことのような気がしますが、何も実業がなく買い漁った特許を振りかざして
お金をゆすりとる会社が栄えるというのはなんとも微妙な感じです。
(しかもそれで儲かるのは技術者・研究者でなく弁護士・弁理士ばかりのような
気がします)
08/3/26 くまぐる
←最近つくってたゲーム(くまぐる)。よかったら遊んでみてください。遊びすぎ注意。
08/3/1 ペン入力コミュニティ第2回セミナー
和歌山および岡山の教育現場においてタブレットPCを
活用していらっしゃる先生方に講演していただきました。
- 小学館のドラゼミを使って漢字の練習や計算の練習を行う(個人での反復練習)。
- OneNote を使ってノート取りをする。色を使えること、消せること、動かせることが重要。
- ビデオや写真をとって、情報収集してプレゼンする練習をする。
- DRAGRIを使って体育の授業をする。
倒立の仕方などをじっくり学習できる。
- ポートボールの作戦会議をタブレットPCで行う。
聞いていると準備が大変そうな気がしました。
何かやるたびに、適切なソフト、素材を用意して、講義の流れを考えて準備する、
というのは大変そうです。
何かうまく教材集のアーカイブができるとよいと思いますが、
すぐに膨大になってよいものを探すのが大変そうになりそうな気もします。
個人的には、「作りこんだコンテンツよりも、適切に編集・加工できるコンテンツが
欲しい」というコメントが聞けたのがよかったです。
コンテンツの数をひたすら増やすよりも、ゼロから自分でコンテンツを
作れるようにするほうが結果的に効率がよい、ということをうまく言えるとよいのですが。
08/2/29
SIGGRAPHの査読依頼を昔から世話になっている知り合いの研究者に出したら
「もう研究職は辞めてしまったので査読も今後はしない」
という返事がきました。
少し前に、大学のテニュアが取れなくて辞めるという話を
聞いていたので、予想された事態ではあったのですが、
実際にすっぱり研究職を離れたと聞いてしまうとさびしいですね。
今まで年に一回は学会であってましたし、査読やら学会運営やらで
連絡があったのですが、今後それもなくなるということで、
ある意味一生の別れのような気もします。
以前にも、論文が通らないので研究はやめたという話もありましたが
アメリカの研究業界というのはやはり厳しい世界というのを実感します。
08/2/7 修士論文
自分に関係ありそうなものだけ。
- 局所制御可能な演出トゥーンシェーダー:
トゥーンシェーディングで、ブラシによるペイント操作で明るさを部分的に編集できるようにする。
- 人Piconotes: タグとファセット分類を用いた手書きメモ管理システム:
個人的なメモの管理にタグとファセットを使う
- インタラクティブプログラムのための操作履歴視覚化手法
操作履歴を表示するのにスナップショットにマウスの動きを表す注釈を加える。
- To-doリストの再利用
他人のリストや自分の過去のリストの内容から、追加すべき項目を自動提案する。
- インタラクティブな結び目デザインシステム
物理シミュレーションしながらスケッチで紐を結ぶ。
- グラフィクスハードウェアを用いた自由表面を伴う流体シミュレーションの高速化
GPUで流体シミュレーションする。粒子の追加と削除もGPUでやるのがポイントらしい。
- 前景物体との重なり部における色合わせを考慮した画像合成法
背景の上に絵を置いてからスライドすると、前景の後ろに「差し込まれる」。インタフェースが面白い。
- アニメーションの彩色における分類ベースの領域マッチング
領域の対応をとって自動的に彩色する。これも連鎖構造を提示するインタフェースがポイント。
08/1/1 謹賀新年
あけましておめでとうございます。
今年の年末年始はずっと3次元キウイを作っておりました。
皆さん、キウイの種の3次元配置がどうなってるか知ってますか?
07/12/28 ものづくり革命
「ものづくり革命 -パーソナルファブリケーションの幕開け- 」
という本を読みました。
パーソナルコンピュータの次は、個人が自分専用のモノを設計してつくる
パーソナルファブリケーションの時代がくるという話。
実際に筆者がMITのプロジェクトでやっていることは、
個人で使えるレーザーカッターやフライス盤、マイクロコントローラを
プログラミングするツールなどをそろえたファブラブという工作室を
MIT内部およびインドやノルウェイなど世界各国に作って、
現地の人々が自分の生活に必要なモノを自分で作れるようにしてみた、
といった内容である。
作ったモノの例は、
- 自分の叫び声を録音して再生する袋
- 人が近づくとトゲを出す衣服
- オウムがPCを使うためのインタフェース
- 自分がデザインした自転車
- 合板を組み合わせた住宅
- ネットワーク機能がビルトインされた建材
- 牛乳の土壌の成分を調べるセンサー
- 放牧された羊の居場所を調べるセンサネットワーク
- 美術館におくブラウザのための物理インタフェース
などなど。やっていることは、phydgetsやtangible bits の
プロジェクトと似通っている気がするが、
世界各地で現地の人とモノをつくっているところにインパクトを感じる。
本のそれ以外の部分では、コンピュータの発明の歴史、
工作機器やマイクロコントローラの原理の説明、
コンピュータを発展途上国や紛争地域に持ち込んだ例、
未来の話として自己増殖マシンの話
(ノイマンのセルオートマタ、リボソームによるたんぱく質構築)
などが紹介されている。
個人的には、これらの仕事をどう研究にしてどこに発表しているかが
気になる。SIGGRAPHとかCHIとかICRAとかもあるが、
Scientific American とかScienceとかにも発表しているらしい。
07/12/5 講演
最近は専門分野の講演よりも関係ない講演の方が面白いです。
最近聞いた講演から。
- トヨタの見える化: 工場における異常事態および非効率性を目に見えるようにする。
カンバン方式=部品と一緒にカンバンが製造工程を流れる。詰まると看板が溜まるので見える。
アンドン=何か異常があるとランプが光って監督者や管理者がすぐわかる。
- 教育番組の作り方: 家で一人で見る番組は、番組だけみて「理解させる」ように作る。
学校で授業中に先生の指導で見る番組は、番組をみて「興味・意欲がわく」ように作る。
実際に教えるのは先生。
小学校低学年の番組は、ぬいぐるみや人形が主人公で、視聴者に語りかけたりせず、
また架空のお話の世界に閉じてストーリーが展開する。
小学校中高学年になると、人間がでてきて、視聴者に語りかけたり、
現実の社会とリンクさせながら番組が進行する。
07/12/4 ERATO
新しくプロジェクトを始めることになり
研究員および学生アルバイトを合計10名ほど募集しております。
研究者でなくとも、あたらしい技術を開発したい方であれば広く
受け入れたいと考えています。
興味のある方はこちらをご覧ください。
07/10/12 UIST 2007
今年は20周年記念でいろいろ企画がありました。
- The Re:Search Engine: Simultaneous Support for Finding and Re-Finding
一度検索したキーワードでもう一回検索したときに、
結果が変わってしまうと困る。でも新しい結果もみたい。
ので、前回の結果のうち重要なもの(ユーザがクリックしたもの)
と新しい結果をうまく混ぜて提示する。
- Eyepatch: Prototyping Camera-based Interaction through Examples
カメラ(画像認識)を利用したアプリケーションを簡単に作れるようにする。
よくつかうモジュールを用意しておき、その場でトレーニングできるような
インタフェースを提供する。
- Hybrid Infrared and Visible Light Projection for Location Tracking
1台のプロジェクタから可視光と赤外線を同時に映す。
赤外線にはコードを埋め込んでスクリーン内での座標が取れるようにしておくと、
映されたほうに埋め込んである光センサーの場所がわかる。
- Socially Augmenting Employee Profiles with People-tagging
自己紹介をみんなちゃんと書いてくれないので、他人が書き込めるようにする。
- Rethinking the Progress Bar
いろいろな進み方のプログレスバーを比較してどれが一番短く感じられるかを調べた。
途中で止まるのは最悪。はじめ遅くて、あとから加速するのが短く感じられる。
- Bubble Clusters: An Interface for Manipulating Spatial Aggregation of Graphical Objects
デスクトップのようにアイコンが並んでいるような状況で、
近くに配置してあるものを自動的にグループ化してバブルで囲んで提示する。
ユーザはバブルを掴むことでグループまとめて削除したり移動したりできる。
- Boomerang: Suspendable Drag-and-Drop Interactions Based on a Throw-and-Catch Metaphor
ドラッグアンドドロップの途中でアイコンを投げると中断できる。
中断している間にスクロールしたりフォルダを開いたりできる。
- Gui Phooey: The Case for Text Input
PC上で簡単にテキストのメモを取れるようにする。
同時にデスクトップの様子やカメラ画像などのコンテクスト情報も取り込むことで
あとから探しやすくする。自動的に意味抽出して他のアプリケーション
(スケジュール帳など)にデータを取り込んでくれる。(pidgin)
- ShapeShift: A Projector-Guided Sculpture System
プロジェクターで彫刻の彫り方を指示する(ポスター)。
去年の、プロジェクターで油絵の描き方を指示するシステムの続き。
07/8/12 SIGGRAPH 2007
今年は論文の数が至上最高数で、すべて追いきれてません。
一応把握している範囲で重要そうなのを列挙します。
- Solid Texture Synthesis from 2D Exemplars:
2Dのテクスチャから3Dのテキスチャを作る。
ノイズから始めて3方向を見ながら最適化する。またグローバルなヒストグラムマッチングも行う。
- Scene Completion Using Millions of Photographs
画像の穴を埋めるのにちょうどよい画像を大量の画像データベースから探してくる。
- Near-optimal Character Animation with Continuous Control
モーションキャプチャデータを使ってキャラクタをリモコンで操作する。
どういう条件の時にどういう動きをすべきかを表現したテーブルを、
少数の基底関数で表現し、先々まで考えて最適な動きを生成する。
- Soft Scissors: An Interactive Tool for Realtime High Quality Matting
マッティングをする際に前景を背景から切り出すためのインタフェース。
ユーザが輪郭を太いブラシでなぞると、動的に切り出しを行う。
- Many-Worlds Browsing for Control of Multibody Dynamics
物理シミュレーションで望みの結果を得るために、
少しずつパラメータを変えた大量のシミュレーションを走らせて
そこからうまくいったものをユーザが選ぶようにする。
- Locally Controllable Stylized Shading
トゥーンシェーディングで、ブラシによるペイント操作で明るさを
部分的に編集できるようにする。
- Line Drawings Via Abstracted Shading
明るさをレンダリングした結果に対してローカルに多項式をフィッティングして
稜線と谷線を見つける。GPUで動く。
- Apparent Ridges for Line Drawing
線画を描くときには、曲率が極値をとるところ(稜線と谷線)に線を描けばよいが、
従来は3次元オブジェクト表面に沿った微分(?)を使っていた。
この論文では、画面方向に沿った微分による極値を利用することを提案している。
- Dynamic Planar Map Illustration
2Dのベクタードローソフトで、線で囲まれた領域をフィルしたあと、線を動かした時に
フィルを自動的にアップデートする。中身はヒューリスティクスの塊。
Illustrator の LivePaint として実装されている。
- Interactive cutaway illustrations of complex 3D models
複雑な内部構造をもった3次元モデルの構造を可視化する手法。
見たい対象を遮蔽しているパーツを
あらかじめ定義された切り取り方にしたがって消去する。
- Digital Bas-Relief From 3D Scenes
3次元シーンを2.5Dの木彫として表現する。やっていることは深さ方向の圧縮であり、
HDR->LDRに使うトーンマップの手法を応用している。
- Prakash: Lighting-Aware Motion Capture Using Photosensing Markers and Multiplexed Illumination
コード化された光をプロジェクタで投射し、その中で小さい光センサーを埋め込んだ服を
きて動くことでモーションキャプチャを行う。
光センサーはプロジェクタの投影画面内での位置がわかるようになっている。
- FiberMesh: Designing Freeform Surfaces with 3D Curves
スケッチで3次元モデリングする。スケッチした曲線はオブジェクト表面に
残るので、それを掴んで引っ張ることで変形を行うことができる。曲線は自由に足したり消したりでき、
サーフェスは曲率最小曲面として自動的に生成される。
- Interactive Topology-aware Surface Reconstruction
3次元スキャナでスキャンしたときに、トポロジーエラーが起きそうなところを
ユーザに知らせて、簡単なペイント操作でトポロジーを指定できるようにする。
- ShapePalettes: Interactive Normal Transfer Via Sketching
2.5Dの絵を描くときに、サンプルとなる法線マップの上と
ターゲットとなる絵の上に線を描くと、対応する法線がコピーされる。
- Plushie: An Interactive Design System for Plush Toys
スケッチ操作で3Dモデリングすると自動的にぬいぐるみをつくるための2Dの型紙ができる。
- Design of Tangent Vector Fields
3次元表面上のベクターフィールドを補間で作成する。
ベクターフィールドは、エッジ毎に割り当てたスカラー値で表現する。
- Isosurface Stuffing: Fast Tetrahedral Meshes with Good Dihedral Angles
3次元サーフェスモデル中に4面体メッシュを生成する方法。
4面体の質(角度の下限と上限)を保証している。
- Symmetrization
3次元物体が与えられたら全体を左右対称に調整する。
部分的な対象性をハフ変換に似た方法で検出し、そのクラスタリングを
繰り返すことで対称化する。
- Harmonic Coordinates for Character Articulation
ケージの変形でキャラクタの変形を制御する際に、
ケージの各頂点からの影響の大きさを計算する手法。
空間を離散化して方程式を解くことで滑らかな変形を実現する重みを得る。
- Real-Time Enveloping with Rotational Regression
メッシュのボーンによる変形。ボーンの姿勢からメッシュのローカルな
「回転」を計算し、それらを組み上げることで全体の姿勢を得る。
- Embedded Deformation for Shape Manipulation
対象3Dオブジェクト表面上にサンプルポイントをばら撒き、それらを
エッジで結ぶ。サンプルポイント毎に回転量、移動量を定義し、
その値をエッジでつながったもの同士が近くなるように最小二乗法で得る。
- FastLSM: Fast Lattice Shape Matching for Robust Real-Time Deformation
3次元モデルを立方体格子で表現しデフォーメーションを実現する。
個々の頂点をまず独立に物理法則にしたがって動かし、その後
近傍立体格子群毎に形を復元する力をかける。同じ計算が何度もでてくるので
それらを無駄なく行うことで高速な計算を実現する。
- Simulating Biped Behaviors From Human Motion Data
モーションキャプチャデータを元にロボットを動かす手法。
そのまま使うと、物理的に安定しないので、調整を行う。
普通は、データはいじらずに、実行時にダイナミクスを考慮した調整を行う。
ここでは、シミュレーションで転倒が起きるたびにデータの方を修正することを
繰り返し、「絶対に転倒がおきない」データベースを作成する。
他にも、3次元モデルに自動的にボーンを埋め込んでアニメーションさせるのとか、
写真+スケッチで木の3次元モデルを作る手法とか、写真の中身を考慮して拡大縮小する
手法とかがありました。
07/7/29 ワークショップ
子供アート教室ということで、
開発中のアニメーションソフト(MovingSketch)
を子供達に使ってもらって
アニメーションを作るワークショップにいってきました。
作品をここに置いたのでよかったら見てみてください。
落書きするような感覚でアニメーションを作るという
当初の目的が達成できたのではないかと思っています。
ただ、バグで何度も作りかけのアニメーションが消えてしまったようで
子供達には申し訳なかったです。
07/7/10 ダンスダンスダンス
下記のようなアニメーションを作れるアプレットを公開しました。
ここ。
遊んでみてください。遊びすぎ注意。
今のところ保存はできません。
ムービーにしたいかたは画面録画ソフト(e.g. camtasia)など使ってください。
07/7/6 今日の作品
音楽と同期して動きを録画できるようにしてみました。
楽しすぎる…。