概要

2010年度 未踏IT人材発掘・育成事業(未踏ユース)で開発した、
「手描きスケッチの輪郭線から簡単に立体的な彩色を行うソフトウェア」の成果物を公開しています。

具体的には Adobe Photoshop® 用のフィルタプラグインで、次の二つの機能に分かれています。

  • 選択領域から立体形状を推定して、法線マップを生成する
  • 法線マップにスフィアマップを適用してレンダリングする

使用例

簡単な操作でイラストに立体的な陰影を付けることができます。

ダウンロード

注意事項を了解の上でダウンロードしてください。(詳細を表示

プラグインのダウンロード(zip, 250KB)

  • プラグインのバイナリファイルです
  • Windows7(32bit) 上の Photoshop CS5.1 で動作確認しています
  • 今のところMac版はありません

サンプル画像のダウンロード(zip, 9.5MB)

  • スクリーンショットに使っているサンプル画像のpsdファイルです
  • 実際のレイヤー構造や処理の流れを知るのにどうぞ

使用方法

インストール

ダウンロードしたzipファイルを解凍すると、以下の2つのファイルが出てきます。

  • GenNormal.8bf
  • SphereMapping.8bf

これをPhotoshopのFilterプラグインフォルダにコピーします。
(通常は C:\Program Files\Adobe\Adobe Photoshop CS5.1\Plug-ins\Filters\ です)
それからPhotoshopを起動すると、メニューにフィルター>mitou>GenNormal, SphereMappingという項目が増えているはずです。

レジストリなどは使用していないので、アンインストールの際は単純に上記フォルダから削除してください。

法線マップの生成

まず最低3枚のレイヤーを準備する必要があります。

  • 線画レイヤー
    • 選択領域の作成に使います
  • 描画レイヤー
    • フィルタが法線マップを書き込むレイヤーです
    • つまりこのレイヤーを選択してプラグインを実行します
  • 開口部指定レイヤー
    • このレイヤーにブラシで塗ることで、初期法線ベクトルを割り当てない輪郭線を指定できます
    • 必要ならば緑色のブラシで塗ります。必要ない場合は空のレイヤーのままで大丈夫です
    • 現在の実装では、レイヤー階層で一番下のレイヤーはこの目的に使うと固定しているため、
      そこに余計な画像データがあると多分動作がおかしくなります

これらのレイヤーが準備できたら作業に入ります。

  1. 開口部指定レイヤーを選択。開口部の輪郭線(袖とか裾とか)がある場合、
    その下に重なるように緑色のブラシ(#00FF00)で塗る
  2. 線画レイヤーを選択。自動選択ツールなどを使って、塗りたい範囲の選択領域を作る
    プログラムはこの選択領域の形を元に立体形状を推定する
  3. 描画レイヤーを選択。メニューからフィルター>mitou>GenNormalを実行
  4. しばらく待つと描画レイヤーに法線マップが書き込まれる

以上の手順をイラストの各パーツごとに選択領域を作って繰り返すことで、
全体の法線マップを作成します。

スフィアマップの適用

作成した法線マップとは別に、スフィアマップの画像をPhotoshopで開きます。
次に読み込んだスフィアマップをメニューから選択範囲>全て選択とし、編集>コピーで画像をクリップボードに読み込みます。 (SphereMappingプラグインはクリップボード経由でスフィアマップ画像にアクセスするので)
そして法線マップ画像のドキュメントに戻り、法線マップが描かれているレイヤー(描画レイヤー)を選択し、
フィルター>mitou>SphereMappingを実行します。
すると法線マップの各ピクセルが置換されて、スフィアマップの適用結果が描画されます。

イラストへの利用

前述の通りスフィアマップを適用することで、立体的なグラデーションのかかった画像ができると思います。
それをそのまま使ってもいいですが、レイヤーモードを乗算焼き込みカラーに変更して塗り分け画像に重ねると、
陰影付けと配色を別々に扱うことができて便利です。

既知の問題点

  • 選択領域が複数存在する時の動作がおかしい
  • GenNormalプラグインがクラッシュする(選択領域に小さい飛び地がある時に起こりやすい?)
  • 法線マップにツギハギが目立って汚い
  • 選択領域の中に塗り残し部分ができる、はみ出す
  • 内側に切れ込む皺の線が考慮されない(まだ実装が完了していないので)
  • 不要なところにも稜線が出る(可展面制約が常時ONで切り替えられないので)

この他にも不具合報告、ご意見、ご感想などありましたらメールでご連絡いただければ幸いです。
アドレス: nakajima (at) ui.is.s.u-tokyo.ac.jp

謝辞

本ソフトウェアの開発には以下のライブラリを使用しています。

更新履歴

  • 2011.09.30 「選択範囲が広いと、法線マップの中央に黒い部分ができる」不具合を修正
  • 2011.08.31 Webページ公開