User Interface Research Group - Masatomo Kobayashi - 日々の記録

日々の記録

2003-06-30

今日び、そこらの街角にでも立って注意深く辺りを見渡してやれば、至る所に交通安全を掲げた標語が揺れている訳ですよ。まったく、猫も杓子も交通安全。よくもまあ、こんなに頑張ったものですな警視庁。しかし、この標語が曲者なんです。例えば浅草某所のこれ:

お互いが ゆずる心と 待つゆとり

紛れもなく、これはプロトコルの不備です。双方が譲りつつ待っている交差点に発生するもの――それがデッドロック。そうなってしまうと、もう身動きが取れません。所謂「譲り合いのパラドクス」という現象。そこで、上の標語を適切に書き直してみる:

お互いが 見切る間合いと 思い切り

余談ですが、若葉マークと枯葉マークを見事に両立させた一台のセダンが路肩に停まっていたりもしました。何も特筆するような事件じゃないんですが、割と奇妙な光景だったなあ、と。そんな浅草。

2003-06-17

最近のETVに関して、「クインテット」「ピタゴラスイッチ」「にほんごであそぼ」といった番組名を、しばしば耳にする。史上稀に見る優良番組との評判なのだが、研究か睡眠と時間が重複してしまうため視聴が難しい。それにしても、ETVといえば昔は「このまちだいすき」のような悪ふざけが目立ったものだが……(そんな僕らは、古き良き「たんけんぼくのまち」世代)。

2003-06-12

続・ファミコン語小辞典

‐の・方【のほう】
接尾語。比較可能な二者の内、いずれか一方へ言及する際に用いる表現。もう一方は、しばしば暗黙の内に処理される。使用例「お煙草――はお吸いになりますか(当然ながら**などはお吸いにならないものと存じます)」なお「消防署――から参りました」は誤用、というか御用。

2003-06-10

ファミコン語小辞典(ファミレス&コンビニ語の小さな辞典):

よろしかった・でしょうか【よろしかったでしょうか】
問い掛けの表現「よいか」の改まった表現「よろしいか」の丁寧な表現「よろしいでしょうか」を婉曲した表現。過去形を用いる事で、言及された選択行為が実質的には既に完了しているという前提を仄めかす。これにより、この問い掛けが「質問」ではなく「確認」である事が強調される。また、この問答が(客‐店間の相互責任においてではなく)仕事を請け負った店側の責任において行われている事を暗示する。使用例「御注文は以上で――?」
千円・から【せんえんから】
「受け取った千円から代金相当分を(分離して、残りを釣銭とする)」というニュアンスを含む表現。従って「千円ちょうど」の場合にはこの表現を用いない。類義語に「五千円――」「一万円――」など。使用例「――お預かり致します」
お預かり・致します【おあずかりいたします】
代金の領収を宣言する謙譲表現「頂きます」の婉曲表現。客‐店間の取引はあくまで現金と商品との一時的な交換であり、店側に問題があれば返品に応じる心構えである事を主張する。なお、客側には「商品を預かる」という意識が存在しない。使用例「千円から――」
お先に・大きい方から【おさきにおおきいほうから】
税込2,604円の買い物をした客が一万円札を提示した場合などに見られる対応。手渡された数枚の紙幣を札入れに収納しようと奮闘中の客に、続いて「残りの小さい方」を押し付ける。この場合、小さい方から順に渡した方が効率が良いと編者は愚考するのだが……
一万円・入りまーす【いちまんえんはいりまあす】
税込2,604円の買い物をした客が一万円札を提示した場合などに聞こえる輪唱。類義語に「五千円――」「千円――」などがあるが、後者は稀。非常に恥ずかしいので、編者はこの手の店で万札を出せない。使用例「――!」「はい、――」「――」「まーす」

ファミコン™及びファミリーコンピュータ™は任天堂の登録商標です。

2003-06-06

通った。底点の予感。

2003-06-03

仄かに再開。先日の原文は「今日も元気にスパティフィラム」という感じだったけれど、湯島には100円(500ml)自販機が乱立している。L+H* LH%。

2003-05-27

Webコンテンツ作成に際して、特に拘りがある訳ではない。単に不精なだけである。XHTML Basicなどという微妙な勧告に心が向くのも、仕様が小さくて楽だからだ。

構文の妥当性については、Validatorで自動判定できるから良い。一方、コンテンツのアクセシビリティとなると、Checklistを参照しつつ手動確認しなければならないのが面倒で(Another HTML-lintで対応できる部分を除き)全く考慮していないという現状がある。ざっと概観してみたところ、Single-A未満のようだ。インタフェース系の人間として、軽く恥じ入ってみる。

2003-05-23

今、手元に青色LEDがある。美しくも儚いこの青は極めて貴重な光であり、噂によればタンザニアの山奥で年間わずか3kgが産出するのみなのだそうだ。地球という惑星は自ら青を独占するばかりで、人間たちにそれを分け与えようとはしないらしい。

例えば、青い花火――太古より、江戸の花火職人たちを悩ませてきた難題だ。11代目鍵屋弥兵衛がこれを鮮やかに解決してみせるまで、明治も半ばを待たねばならなかった。

例えば、青い薔薇――太古より、江戸の薔薇職人たちを悩ませてきた難題だ。現代の遺伝子組み替え技術を以ってしてもなお、青みがかった薄紫の発色が精一杯である。

他にも「青い鳥」「青い兎」「青いスポーツカーの男」、更には「青い扉」「青い窓」など、人を惑わせる青は枚挙に暇がない。海外に目を向ければ、青に魅せられた男たちの悲劇を描いたグリムの名作童話「ブルー・メンの音楽隊」というのもある。

2003-05-19

某モグラ記が久々に新しくなったし、雨は相変わらず降っている……って、完結篇!?

2003-05-14

結局のところ、気分転換にはぴょこぽんが良いという結論にならざるを得ない。最近、また跳び始めた(ログ)。他に、縄跳びも良い。

2003-05-06

今日の誤読――たにんごと(他人事)、だいにんき(大人気)。

2003-04-24

ビジー状態を表す砂時計カーソルを、どうにも好きになれない。何やら不合理な待機を強いられているような気がしてしまうからだ。マウスをクルクル回したりボタンをカチカチ鳴らしたりして抗議の意を表明してみても良いが、残念ながらその行動はしばしば深刻な事態を引き起こす。全体、これを大人しく待てる人間はいるのだろうか。ビジーカーソルは、もっと「頑張れ! いつまでも待っていてあげるよ」的な良心を喚起する形状であってほしい。

汗々……汗々……

こんな感じでひとつ。

2003-04-23

Cleanはどうなんだろう? 「アクションゲームの作れる関数型言語」程度の認識しかないのだが。

2003-04-21

春が来ると、校長先生の長話を思い出す。F校長の訓辞は本当に長かった。毎週の朝礼でも2K秒以上しゃべっていたし、式典ともなれば4K秒は最低ラインだ。よくあんなに話題を持っていたものだと今更ながらに感心する。ともかく、話し好きだけあって確かにPTA云々とか教委云々とかいうオジサンたちのそれよりは内容のある講話だった。しかし、時間が延びるほど「生徒の興味」と「ありがたみ」は薄れていくものだ。小林少年は――当初は訓辞を段落毎に区切って要約してみたりしていたのだが、やはりそのうち飽きて寝ていた。

2003-04-20

恐怖には二種類ある。理性的な恐怖と本能的な恐怖だ。何事か訊ねられた時、的確な答えを返そうと智慧を絞るのが前者、「イエス、サリー!」と即答してしまうのが後者である。

2003-04-16

昨日から続く。このような言葉遣いの地域差は、なかなか面白い問題だ。例えば、大学生の学年カウントに関する「年生/回生現象」などが挙げられる。有名な「マック/マクド現象」にしても、オフィシャルが「マック」なのにあくまで「マクド」を主張する関西の方々の心情を想像してみると非常に興味深い。

伝統的な方言についても、当該地域では標準語の如く使われている例が散見される。それらの言葉をフィルタリングすると、イントネーションに特徴のない地方出身者の郷里判定が可能となる。例えば、関西の「ほかす」、九州の「なおす」、名古屋の「ケッタ」、九州の「ラーフル」など(北関東にも類似の現象はあるのだろうけれど、「標準語だと思っているので」実例を挙げる事ができない)。

余談だが、昨日の「行かず」。信州では「行かむず」の転ではなく、敵を欺くための信玄の策略に由来する、という事になっているそうだ。故其疾如風其徐如林侵掠如火不動如山難知如陰動如雷霆

2003-04-15

中部地方では「行こう」という意味で「行かず」というそうだ。東北地方ならば「行くベ」となる。それぞれ「行かむず(行かんず)」、「行くべし(行くべい)」の訛った形だとされている。この奇妙な分布は、以下のような歴史に由来するらしい:

中世、流行の発信源は当然の如く都の公家連中だった。ある日、彼らは気付く――東国の蛮人どもが彼らと同じ「行くべし」という言い回しを使っている事に。この屈辱に、彼らが黙っているはずもない。「麿々は時代の寵児ってゆうかトレンディなマルチメディアITたまごっちナタデココ人面犬って感じ? なのであるからして貴奴らのような田舎者と同じ言葉を使うなんてもってのほかなのでおじゃる!」という訳で、次世代的にカッチョイイ癒し系フレーズ「行かむず」が考案されたのである。ポスト「行くべし」。

さて、言葉とは伝染する生き物である。ゆっくりと、しかし着実に、我らが「行かむず」も近畿、中部地方を侵略していく。そうして、この新しい言葉が関東に足を踏み入れた時、事件は起こった! 江戸幕府が街道という街道に関所を設け、人間、ひいては文化の往来を制限してしまったのだ。ここにおいて「行かむず」「行くべし」の両フレーズは各々の地域に沈着し、現在に至るのである。

――などという、14日前にボツにしたネタは^C。突然だが、小学生の頃から未解決のままとなっている疑問があるのだ。この「ず」と「べ」の境目(以後、「ずベ境界」)はどこにあるのか、と。俺としては交流周波数の境目、あるいは雑煮の角/丸餅の境目あたりが怪しいと思うのだが、どうなのだろう。

2003-04-07

拡張ヘッダだ。X-Weather(拡張天気予報)、X-Pollen(拡張花粉情報)、X-Fortune(拡張星座占い)、X-Face(拡張自画像)、X-Now-Playing/X-BGM(拡張背景音楽)、X-Deadline(拡張〆切)、X-Moe(拡張萌え)、X-Sister(拡張妹)、X-Wife(拡張妻)など。面白便利なものが沢山あるが、まだまだ足りないので色々と夢想してみる。

X-Signature
長々しくて鬱陶しい署名を棚の上に片付ける。[使用例]X-Signature: User Interface Research Group, Department of Computer Science, Graduate School of Information Science and Technology, The University of Tokyo # KOBAYASHI S. Masatomo
X-Narrator
音声読み上げ機能付きメーラにおいて、声質を指定する。[使用例]X-Narrator: 森本レオ
X-Humour
小粋なアメリカンジョークを披露する。[使用例]X-Humour: 「昨日の台風で、家の瓦がふっとんじゃったわよ」「あら、やあねえ」
X-Dinner
先刻の食事を報告し、健康管理の一助とする。[使用例]X-Dinner: マヨネーズ
X-BillGates
現在の総資産を申告する。[使用例]X-BillGates: $50,000,000,000
X-MissionImpossible
対応メーラにて、当該メールが自動的に消滅するまでの期限を秒単位で指定する。[使用例]X-MissionImpossible: 15
X-LoveLetter
シャイな男性がこっそりと愛を告白する。[使用例]X-LoveLetter: i love you. you are my son!
X-Nandeyanen
微妙に言いにくい指摘をする。[使用例]X-Nandeyanen: 私は貴方の息子じゃないわ
X-Somosan
なぞなぞを出題する。[使用例]X-Somosan: 満員電車が脱線したのに、誰も怪我をしなかったとはこれ如何に?
X-Seppa
X-Somosanへ返答する。[使用例]X-Seppa: 乗客が皆、禿げていた故に

2003-04-01

今日はLe Poisson d'Avrilだ。しかし、年中4月1日な身としては何を今更の感無量。むしろ今日くらいは真正直に生きてみたい。桜餅の皮を残したのは私です。提出するビデオにネタを仕込んでやろうかとやや思ったが、現地はまだ昨日なので止めた。

仏語平均48.5点の実力を以って「Le Poisson d'Avril」を訳してみると「ザ・魚・オブ・四月」。文献によれば、この魚(poisson)はサバ(maquereau:サバなのにマクロとはこれ如何に)を指す。この季節のサバはバカであり、それを食った人間もバカになるという俗説から、某国では四月バカを上のように呼ぶらしい。

慣用表現にサバが登場するのは世界的な傾向である。大衆魚としてしばしば食卓に上りながらも高級魚に劣らぬ美味であるサバには、誰しも畏敬を覚えるものなのだ。日本にも、「サバを読む」「秋サバは嫁に食わすな」「ビオ・サバールの法則」など、多くの例がある。

KOBAYASHI Masatomo <kobayash at is.s.u-tokyo.ac.jp>
Last Updated: Mon, 30-Jun-2003 JST